std::map<Key,T,Compare,Allocator>:: emplace
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template
<
class
...
Args
>
std:: pair < iterator, bool > emplace ( Args && ... args ) ; |
(C++11以降)
(constexpr C++26以降) |
|
キーがコンテナ内に存在しない場合、与えられた args を使用してその場で構築された新しい要素をコンテナに挿入します。
新しい要素のコンストラクタ(すなわち
std::
pair
<
const
Key, T
>
)は、
emplace
に提供された引数と全く同じ引数で呼び出され、
std::
forward
<
Args
>
(
args
)
...
を通じて転送されます。
コンテナ内に既に同じキーを持つ要素が存在する場合でも要素は構築され、その場合、新しく構築された要素は直ちに破棄されます(この挙動が望ましくない場合は
try_emplace()
を参照してください)。
value_type
が
EmplaceConstructible
でなく、
map
内で
args
から構築できない場合、動作は未定義です。
イテレータや参照は無効化されません。
目次 |
パラメータ
| args | - | 要素のコンストラクタに転送する引数 |
戻り値
挿入された要素(または挿入を妨げた要素)へのイテレータと、挿入が行われた場合にのみ bool 値が true に設定されるペア。
例外
何らかの理由で例外がスローされた場合、この関数は何も効果を持ちません( strong exception safety guarantee )。
計算量
コンテナのサイズに対して対数的。
注記
emplace
の注意深い使用により、新しい要素の構築時に不必要なコピー操作やムーブ操作を回避することが可能です。
例
#include <iostream> #include <string> #include <utility> #include <map> int main() { std::map<std::string, std::string> m; // pairのムーブコンストラクタを使用 m.emplace(std::make_pair(std::string("a"), std::string("a"))); // pairの変換ムーブコンストラクタを使用 m.emplace(std::make_pair("b", "abcd")); // pairのテンプレートコンストラクタを使用 m.emplace("d", "ddd"); // 重複キーでのemplaceは効果なし m.emplace("d", "DDD"); // pairのpiecewiseコンストラクタを使用 m.emplace(std::piecewise_construct, std::forward_as_tuple("c"), std::forward_as_tuple(10, 'c')); // 代替案: m.try_emplace("c", 10, 'c'); for (const auto& p : m) std::cout << p.first << " => " << p.second << '\n'; }
出力:
a => a b => abcd c => cccccccccc d => ddd
関連項目
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(C++11)
|
ヒントを使用して要素をその場で構築する
(公開メンバ関数) |
|
(C++17)
|
キーが存在しない場合はその場で挿入し、キーが存在する場合は何もしない
(公開メンバ関数) |
|
要素
またはノード
(C++17以降)
を挿入する
(公開メンバ関数) |